注文住宅において、間取りを考える時間は家づくりの楽しみのひとつです。
自由に設計できるからこそ、ご家族の理想や暮らし方を反映した住まいにしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
一方で、間取りは毎日の暮らしや住み心地に大きく関わるため、慎重に考えたい部分でもあります。
今回は、間取りづくりで知っておきたい基本の考え方をご紹介します。
これから新築をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
① 間取りの前に
間取りは、いきなり考え始めるよりも、まず土地や暮らし方を整理することが大切です。
何事も準備が肝心です。
日々たくさんのお家が各所で建築されています。
しかし2つとして同じ土地・建物はありません。
土地の条件や住まわれる方の暮らし方によって、適した間取りは変わります。
土地があって初めて建物が建ちますので、土地の個性に建物を合わせる工夫が重要です。
見方を変えると、条件に不安がある土地でも、設計の工夫によって暮らしやすさにつなげられる場合があります。
土地の特徴を読み取り、光の入り方や風の通り方、周囲からの視線などを踏まえて設計することで、その土地らしさを活かした住まいに近づけることができます。
② 建物の形
土地の個性を把握できましたら、次は建物の形を決めましょう。
形と言っても単純に三角形や四角形の形ではありません。
まずはその土地で建てることができる一番大きい建物の大きさを出します。
その上で間取りの検討に取りかかることをおすすめします。
そうすることで、建物のバランスが悪くなることが防げます。
そこから変形させて考えていくと良いでしょう。
③ 外堀を埋めていく
建物の形が決まったら、配置を検討します。
「外堀を埋める」という言葉をご存じでしょうか?
これは目的を達成するために、周辺の問題を片づけていくことを言います。
建物の配置も文字通り外堀を埋めながらゴールへと向かっていくイメージです。
一般的に、駐車場→庭→建物の順番で決めていきます。
間取りはひとつひとつの空間としてではなく、家全体で考えることが重要です。
立方体から暮らしを考えることにより、間取りの輪郭が見えてくるのです。
④ 要望をまとめる
いよいよ間取りの検討です。
まずは家族の要望をまとめましょう。
ご家族で長く暮らす住まいだからこそ、一人ひとりの希望を整理しておくことが大切です。
すべての希望をそのまま形にすることが難しい場合もありますので、まずは要望を整理してみましょう。
家事効率の良い動線や将来の家族の変化など、様々な角度から家族みんなのライフスタイルを思い描き考えていきましょう。
また、土地の性質や建物の形から、譲れる部分、譲れない部分など優先順位を決めておきましょう。
⑤ 間取りの基本
要望がまとまりましたら次に間取りの基本をチェックしましょう。
家事のしやすさやご家族との団らん、広さや開放感などのポイントを押さえ、心地よい空間を考えていきましょう。
動線を意識しラクで楽しい家事に
家事効率は、日々の暮らしに大きく関わってきます。
家事動線を意識した間取りにすることで快適な暮らしとなるでしょう。
「家事ラク動線」と呼ばれるように、家事効率を意識した間取りづくりは多くの方に関心を持たれています。
洗濯スペースから干すスペースまでの動線、ダイニングからキッチンまでの配置、玄関からトイレまでの距離も重要なポイントです。
ほどよい距離感
家族で別々のことをしていても、お互いの気配を感じることで安心感が生まれます。
特に小さいお子様には、情操教育にも良いとされています。
つながる、感じる、ちょうど良い距離感。そんなリビングはいかがでしょうか。
吹き抜けによりつながる1階と2階の空間や、LDKに隣接するスキップフロア。
そうしたリビングは家族の集まる空間となることでしょう。
くつろぎは開放感から
開放感はくつろぎ空間をつくる上での大事な要素です。
開放感は、明るさ・広さ・高さ・間仕切りや窓の配置など様々な方法で演出することができます。
和室をLDKとつなげることで、空間に広がりが生まれ大空間となります。
光を呼びこみ視線はシャットアウト
明るさを確保する窓は光だけでなく、一方で外からの視線が入ってしまう要因にもなります。
道行く人と目が合ってしまうようなリビングではくつろげないですよね。
光や風を上手く採り入れながら、プライバシーを守る工夫が重要になります。
例えば、2階リビングであればそもそも視線は入りづらいです。
1階リビングであれば、なるべく高い位置に窓を設けたり、人が通らない部分にリビングを持ってくるようにすると良いでしょう。
また、吹き抜けの高い位置に窓を設けることで、より光を採りこみ、プライベート性も兼ね備えた明るく開放感のある空間をつくることができます。
⑥ LDKが肝心
LDKとは、
L:リビング / D:ダイニング / K:キッチン のことを指します。
「LDK」とよくまとめて表されますが、基本的には「DK(ダイニング・キッチン)」に「L(リビング)」が接続する、と考えると良いでしょう。
LDKは、住まいの中でも特に暮らし方が表れやすい場所です。
土地や建物の形状によって、できることと難しいことがあります。
要望と条件を見比べながら検討していきましょう。
■暮らしのイメージを考える
住まいの中心であるLDKを家族でどのように過ごしたいかをイメージしてみることが重要です。
I字型タイプのLDK
ダイニングをキッチンとリビングの間に挟み、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)を直線上に配置するタイプです。
リビング・ダイニングにいる家族を見渡せて、家事をしながら会話を楽しむことができます。
L字型タイプのLDK
キッチンの向かいにリビングを、横にダイニングを配置した対面式キッチンです。
キッチンからの動線がリビングにもダイニングにも一直線のため、配膳・片付けが楽になり、家族もお手伝いしやすいタイプです。
キッチン独立タイプのLDK
料理する場所と食事する場所を分けることで料理に集中できるタイプです。
戸を設け、キッチンとリビング・ダイニングを分断します。
他の空間とのコミュニケーションは取りづらいものの、料理の音やニオイが他の空間に伝わりにくく、生活感を感じにくいというメリットがあります。
カウンター付きキッチンタイプのLDK
キッチンにカウンターがあると、例えばお子様の朝ごはんや夜遅いパパの夜食など、食事の時間がずれても便利なタイプです。
また、カフェ風のキッチンを演出できますのでデザイン性が高いキッチンです。
■キッチンを考える
キッチンは多くの方が毎日使うものです。
キッチンのスタイルによって使い勝手や収納力も変わりますし、間取りにも影響してきます。
どのようなタイプのキッチンがあるのかを把握し、その上で間取りづくりに落とし込んでいくことをおすすめします。
I型キッチン
コンロ、シンク、作業スペースが一列につながっている横長のキッチンです。
効率良く作業できますが、間口が広すぎると移動する歩数が多くなるので注意も必要です。
Ⅱ型キッチン
こちらは、コンロ、シンク、作業スペースを前後に分離したキッチンです。
振り返りながらの作業は多くなりますが、動線は短いので効率が良く、収納も十分に確保できます。
L字型キッチン
調理する人を囲むように折れ曲がり、シンクとコンロを離して配置するスタイルのキッチンです。
少ない歩数で作業ができますし、2人以上でキッチンに立つ場合にも動きやすいです。
奥行きのあるコーナー部分を便利に使えます。
アイランド型キッチン
左右どちらからでも出入りでき、ぐるりと回遊できるタイプのキッチンです。
壁から離れていることから「島」の様な形という意味でアイランド型と呼ばれています。
動線は便利なタイプですが、通路を確保するために広いスペースが必要です。
そうすることによって十分な収納を設けられないというパターンもありますので、スペースを考慮しながら検討しましょう。
⑦ 間取りの注意点
LDKの失敗は、暮らしの快適さにダイレクトに影響します。
住んでから「こうすればよかった」と感じることがないよう、間取りの時点で見落としがちなポイントをご紹介いたします。
家庭用電化製品・ゴミ箱の収納
電子レンジや炊飯器、トースターなど、生活に欠かせない家庭用電化製品(以下家電)は、間取りの時点でどこに配置するかを検討しておきましょう。
間取りの段階で冷蔵庫の配置は考えるかと思いますが、それ以外の家電はあまり考慮されない場合も多いです。
一つひとつはそれほど大きいものでなくとも、数が多いとその分場所をとるので注意が必要です。
置けるだろう、と思っていたものの引き渡し後に実際置いてみたらスペースが足りない…ということになったら困りますよね。
事前に使用している家電やこれから使用したい家電をリスト化してみましょう。
それぞれのサイズも分かるとベストです。
そうして、スペース的に全て置けるかどうか確認しながら間取りを決めていくと良いでしょう。
また、同様にゴミ箱もそれなりのスペースが必要になります。
スタイリッシュな、オシャレな、こだわりを詰めたキッチンにしたのにゴミ箱が丸見えだともったいないですよね。
そうならないようにするために、ゴミ箱の配置場所も間取りの段階で計画しておきましょう。
造作棚を設置する場合にも寸法を出しやすく、より快適なキッチンになります。
配置、サイズ
上記の家電達のスペースを計画する際、忘れてはならないのが配置場所です。
いくらスペースを確保しても、壁側ギリギリで扉を全開にできなかったり、ごみ箱をいちいち引き出さないとフタが開かない…などのショックなエピソードもあります。
先程も申した通り、サイズは事前に確認し間取りに反映することをおすすめします。
また、キッチンまわりのコンセントの数や位置も要注意です。
どこに家電を置くかを事前に計画しておくことで、コンセントがどこにどのくらい必要なのかおのずと見えてきます。
ミキサーなど、常設しないけれど使うときにコンセントが必要なものもありますし、
せっかく配置していたけど家具の後ろに隠れてしまって使えない…という場合もありますので、常設するもの、しないものという点も踏まえて検討すると良いでしょう。
キッチン設備
近年は、ご家族とのコミュニケーションがとりやすい、オープンなLDKを希望される方も多くいらっしゃいます。
しかし、こうしたキッチンは声だけでなく、ニオイも筒抜けになりがちなことを覚えておきましょう。
特に吹き抜けは開放的でおしゃれなことから人気がありますが、ニオイが2階に上がってしまうという側面があります。
一方で、機能性に優れたキッチン設備も増えています。
そういったものを賢く活用し、オープンでも快適なLDKを目指しましょう。
例えば、水ハネの音を抑えられる静音シンクですと、洗い物の音がリビングまで響きにくくなります。
調理中のニオイは排気能力の高い換気扇で拡散を軽減することができます。
⑧まとめ
間取りづくりは、住まいの心地よさや暮らしやすさに大きく関わります。
土地の条件、ご家族の暮らし方、家事動線、収納、LDKでの過ごし方など、考えることは多くあります。
だからこそ、最初から形を決めすぎず、基本を押さえながら一つずつ整理していくことが大切です。
この記事が、これから間取りを考える際の参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。
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